ガイナ塗料とは?ガイナ塗料のメリットと利用上の注意点について

温暖化が進み、夏の暑さへの対策が急がれる中で、外壁塗装で断熱性の高い塗料を選択したいと考える方が増えてきました。断熱性のある塗料は、何種類も発売されていますが、その中でも特に注目を集めているのがガイナ塗料です。

この記事では、ガイナ塗料がどのような性質を持つもので、メリットとデメリットはそれぞれどのようなものがあるのかを詳しく解説します。

ガイナ塗料とは

まずはガイナ塗料の特徴についてお伝えします。

宇宙開発の技術を応用した塗料

ガイナ塗料は、株式会社日進産業が開発した断熱セラミック塗料の商品名です。他の断熱セラミック塗料と大きな違いがある点は、JAXAが開発したH-Ⅱロケットを打ち上げる時の熱から守るための断熱技術を元にして、住宅用に開発されているという点です。

宇宙開発の高度な技術を一般的な住宅でも利用できるように開発した塗料で、軽くて優れた断熱効果を発揮できる点が大きな特徴です。

さすがにロケット並みとは言えませんが、塗るだけで断熱効果を高めることができる塗料として、特に人気が高い塗料です。ただし、ガイナ塗料だけで断熱効果を充分に得られるわけではありません。

断熱材などと効果的に組み合わせることで、大きな断熱効果を期待できます。

断熱・遮熱塗料部門でトップの国内シェア

断熱・遮熱塗料は、他にも様々な商品が発売されています。その中で、ガイナ塗料は国内のトップシェアを誇ります。断熱・遮熱塗料は、塗料の三大大手メーカーの日本ペイント、エスケー化研、関西ペイントからも発売されています。

しかし、それらの大企業を抑えての国内シェアトップは、多くの方にガイナ塗料が信頼されている証と言ってもいいでしょう。

耐用年数の目安

外壁塗装を行う場合には、塗料の耐用年数がどのくらいなのかも気になるところです。ガイナ塗料の場合には、無機質を利用しているセラミック塗料なので、他の種類の塗料と比べると耐用年数はかなり長くなります。

現在、外壁塗装の主流であるシリコン塗料の耐用年数が10年から12年であるのに対して、ガイナ塗料の耐用年数は15年から20年です。

耐用年数が長く、機能性も高いので、1回の外壁塗装での費用はシリコン塗装よりも高額になります。しかし、1年あたりのコスパで計算すると、シリコン塗料よりも長く使える分だけコスパが良くなる場合もあります。

価格の相場

ガイナ塗料の価格は、どのくらいが相場なのかお伝えします。一般的なシリコン塗料と、ガイナ塗料と同じ15年から20年の耐用年数があるフッ素樹脂塗料の価格と比較してみましょう。

 シリコン塗料フッ素樹脂塗料ガイナ塗料
1平米あたり単価2,300円~3,200円3,800円~4,500円3,800円~4,500円
総額の相場(30坪戸建の場合)約80万円~90万円約100万円約100万円
耐用年数10年~12年15年~20年15年~20年

外壁塗装で一般的に利用されるシリコン塗料と比べると、単価と相場はガイナ塗料の方がかなり高くなります。しかし、耐用年数が同じくらいのフッ素樹脂塗料と比べても、ガイナ塗料は同じくらいです。

フッ素塗料並みの耐用年数を検討するのであれば、ガイナ塗料も選択肢として考えてもいいでしょう。

ガイナ塗装のメリット

断熱性のある塗料が多数販売されている中で、ガイナ塗料が国内シェア1位であるのは、ガイナ塗料には様々なメリットがあるからです。ガイナ塗料にはどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

断熱効果がある

ガイナ塗料の大きなメリットとは、断熱効果が高いことです。外壁の断熱効果というのは、室内の温度が外気の影響を受けないようにすることです。

より具体的に言えば、冬の寒い時期に室内で温まった空気が、外壁を通して外に逃げない効果です。

ガイナ塗料を外壁に塗ると、外壁塗装した熱の移動を最小限に抑えることができます。その結果として、冬の寒い時期でも、温めた室内の空気が冷めにくくなり、暖房効果を最大限に保つことができるようになります。

また、ガイナ塗料は室内にも塗ることで、室内からの空気の放散を防ぎ、より断熱効果を高めることもできます。

遮熱効果がある

ガイナ塗料は、断熱効果の他に遮熱効果も期待できることで人気があります。外壁塗装で言う遮熱効果とは、太陽光の赤外線を反射して、外壁が熱を持つのを防ぐ効果のことです。

ガイナ塗料には、太陽光線を反射する効果があります。また、太陽光が当たるとすぐに塗膜が高温になって、遠赤外線を大量に外側に放射します。

光線の反射効果と熱の放散効果の2つの効果によって、外壁の内部へ熱が流入するのを防ぐことができるのです。

防音・遮音効果に優れている

ガイナ塗料で使われているセラミックは、特殊な構造をしており、空気を含んだ多層の球体になっています。音は、このセラミック球体の中で反射を繰り返します。反射を繰り返すうちに、音量が減衰します

ガイナ塗料を塗った場合、トイレの音で10デシベル、ボールを床についた音で8デシベル、掃除機の音でも2デシベルの防音効果が認められています。

消臭効果が期待できる

ガイナ塗料を建物の内部に塗った場合には、消臭効果も期待できます。ガイナ塗料の塗膜を構成する特殊セラミックは、遠赤外線を放射しています。遠赤外線には水分子を振動させる効果があります。

遠赤外線によって振動させられた水分子は、マイナスイオン化して空中を漂うにおい物質や汚濁物質と結合します。結果として、消臭効果や改善効果が期待できます。

また、ほこりなどは静電気で壁や天井に付着します。しかし、ガイナ塗膜は帯電性0なので、静電気が起きずに、ほこりなどの汚濁物質が付着しにくいのも特徴です。

ガイナ塗料は、これらの性質を生かして、公衆トイレの内部の塗装などにも活用されています。

ガイナ塗装のデメリット

ガイナ塗料には上記のようなメリットもありますが、注意しなければいけないデメリットもあります。ここからは、ガイナ塗料を選択する場合に頭に入れておいた方がいいデメリットについてお伝えします。

歴史が浅い

ガイナ塗料のホームページが開設されたのは2006年です。この年が発売年だと考えられます。2020年現在までまだ14年しかたっていません。

ガイナ塗料の耐用年数が15年から20年とうたっていますが、まだ実際に使われてから20年たった建物はありません。発売されてすぐには、それほど多くの建物に使われたとは考えられないので、最初に使われてから15年たった建物もまだ少ないのが現状です。

本当に15年から20年の耐用年数があるのかどうか、実際のところは、あと5年ほどたたなければ判断できません。

無臭ではない

ガイナ塗料は水性塗料ですが、他の水性塗料と比べると不快な臭いが強い塗料です。塗ってしまえば、そのうち臭いは消えます。しかし、屋内や屋外でも風通しの悪い場所の場合には、2週間ほど塗料の悪臭が残る可能性があります。

もしも、隣の家と密接している外壁の塗装を行う場合には、隣の家にガイナ塗料の臭いで迷惑をかける可能性もあります。

ガイナ塗料を使う場合には、臭いの程度がどの程度なのか、事前に業者に確認して、隣近所の方にも事情を説明しておいた方がいいでしょう。

色の選択肢が少ない

ガイナ塗料には、色の選択肢が少ないこともデメリットとして考える方がいます。ガイナ塗料には52色の色のバリエーションが用意されています。他のメーカーの他の塗料も、通常はこのくらいのバリエーションです。

しかし、他の塗料であれば、気に入った色がない場合には、同じグレードの他メーカーの塗料から色を選ぶこともできます。

ところが、ガイナ塗料と同じ機能性を持った塗料は他にありません。日進産業から発売されている52色のカラーバリエーションの中から選ぶしかないのです。

また、ガイナ塗料の場合には、ツヤありを選択することができません。通常、外壁塗装に使う塗料には、ツヤあり、7分ツヤ、5分ツヤ、3分ツヤ、ツヤなしの5種類の光沢がありますが、ガイナ塗料にはツヤなししかないのです。

輝くツヤのある外壁に仕上げたい場合には、ガイナ塗料以外の塗料を選ぶことをおすすめします。

施工費用が高額である

ガイナ塗料を使った場合の外壁塗装のデメリットとして、1回分の工事費用が高額になる点をあげる方もいます。「価格の相場」でみたように、一般的に外壁塗装で使われるシリコン塗料よりも、ガイナ塗料は高額になります

地域ごとの相場や、建物の大きさによって実際の費用は大きく変わりますが、場合によってはシリコン塗料の1.5倍になる場合もあります。

耐用年数が長いので、1年あたりのコストパフォーマンスで考えると、ガイナ塗料の方がお得になりますが、1回あたりの出費が高額になるということで、ガイナ塗料を諦める方も少なくありません。

汚れやすい

ガイナ塗料はセラミック塗料なので、ざらつきのある質感の壁になります。なめらかでツルツルな外壁にはならないので、土ぼこりや雨だれなどの汚れが付着しやすくなります。

雨だれが付着しやすいということは、湿気によるコケや藻、カビも発生しやすいということです。汚れやコケなどを防ぐためには、定期的な清掃が必要です。

高圧洗浄機による外壁の洗浄が定期的にできないようであれば、ガイナ塗料を利用することはおすすめできません。

ガイナ塗料はこんな人におすすめ

ここまで、ガイナ塗料の特徴と、メリットとデメリットを詳しくみてきました。メリットだけではなくて、デメリットを理解した上で、ガイナ塗料を使ってみたいと思った方もいることでしょう。

ガイナ塗料を特におすすめしたい人は、どのような方なのかお伝えします。

高額と理解した上で質の良い塗料を使いたい人

ガイナ塗料は、とても機能性が高い塗料です。他の塗料と比べると確かに1回あたりの費用は高額になります。しかし、同じくらいの耐用年数のフッ素樹脂塗料を選択するのであれば、費用はそれほど変わりません。

高額であることと、いくつかのデメリットがあることを理解した上で、ガイナ塗料の様々な機能性に着目している方も少なくありません。

ガイナ塗料の特性である断熱性に加えて、消臭効果や防音性といった機能性に着目して、より質の高い塗料を外壁塗装に利用したいと考えているのであれば、ガイナ塗料がおすすめです。

空調効率を上げて快適に過ごしたい人

ガイナ塗料の一番の魅力は、断熱性と遮熱性です。特に地球温暖化によって、夏の暑さが厳しくなりつつある現在、家の中を涼しく保つことが重要になっています。もちろんエアコンを使えば、家の中の気温は快適な温度に調整できます。

しかし、壁や屋根の断熱性と遮熱性が保たれていないと、エアコンを切ったとたんに、部屋の中の気温が外気に近づいてしまいます。

ガイナ塗料を外壁や屋根、家の内側にも利用すれば、家全体の断熱性と遮熱性を大きく高められます。

自治体によっては、環境問題対策として、遮熱性や断熱性の高い塗料を使った外壁塗装に対して、10万円程度の補助金を出してくれるところもあります。

ガイナ塗料も、外壁塗装によるエコ対策ができるということで、補助金の対象になる可能性があります。外壁塗装での温暖化対策も検討したいと考えるのであれば、ぜひ役所や外壁塗装業者に補助金が利用できないか聞いてみましょう。

和風や淡い色が好きな人

ガイナ塗料には、ツヤのあるものを選べないとデメリットとして書きました。しかし、ツヤはなくても漆喰のような重厚感のある風合いの壁にすることは可能です

漆喰の外壁は、メンテナンスの手間がかかりすぎるので、なかなか現在の住宅事情では実現できません。しかし、ガイナ塗料を使えば、漆喰風の和風の味わいのある壁に仕上げることができるのです。

また、ガイナ塗料での遮熱効果は、太陽光をより反射する淡い色を選ぶと高まると言われています。淡い色の外壁が好きだという方には、ガイナ塗料がおすすめです。

まとめ

ガイナ塗料は、とても機能性が高くて魅力的な塗料です。シリコン塗料よりも高額だとは言っても、耐用年数が同じぐらいのフッ素塗料と同程度な点も魅力的です。

しかし、飛び込み営業でやってくる外壁塗装の業者の中には、この記事で書いた価格よりも高額な価格を提示してくるような担当者もいます。

ガイナ塗料についての知識がないと、本来の相場よりも高額な工事料金で外壁塗装をやらされることになりかねません。また、汚れやすいといったデメリットを知らずに、後から後悔することにもなりかねません。

ガイナ塗料による外壁塗装をすすめられた場合には、提示された価格が適正価格なのかどうか、一括見積もりサービスで複数の会社から見積もりを取って調べてみることをおすすめします