塗装業界で大注目の光触媒塗料の特徴|長所や短所、選び方も徹底解説

どのような建物であっても、10年に一度程度の外壁塗装が必要です。外壁は常に屋外で外気にさらされ続けているので、土埃や排気ガスのちりなどで汚れてしまいます。

外壁塗装に使う塗料の中には、雨で簡単に汚れが洗い流せるものもありますが、最近では、セルフ洗浄機能を持つ光触媒塗料に注目が集まっています。

この記事で、光触媒塗料にはどのような特徴があり、どのようなメリットや利用する上での注意点があるのか、光触媒塗料を使う時の選び方のポイントなどについて詳しく解説します。

光触媒塗料の特徴

まずは、光触媒塗料にはどのような特徴があるのか詳しく見ていきましょう。光触媒とは、特定の物質に太陽光や電灯などの光が当たると、表面で強力に酸化して有機化合物や細菌などの有害物質を除去する化学変化のことです。

光触媒塗料とは、塗料に光触媒物質を混合させることで、太陽光によって光触媒作用を起こせるようにしている塗料です。光触媒作用を起こすための原料としては、主に酸化チタンなどが使用されています。

大きく分けて2種類ある

光触媒塗料には、主に2種類の塗料があります。紫外線が当たると光触媒作用が起こる「紫外線型」と、紫外線を含まなくても可視光線などの光が当たれば光触媒作用が起こる「可視光型」です。

従来の光触媒塗料は、紫外線が当たらなければ光触媒作用を引き起こせない紫外線方が主流でした。しかし、外壁であっても、日当たりが悪い場所もあり、必ずしも太陽光に含まれる紫外線が当たるとは限りません。

紫外線型では、日当たりが悪い部分には光触媒作用を期待できません。そこで、最近になって開発されたのが可視光型です。可視光形であれば、光であれば紫外線を含まなくても光触媒作用が起こせます。

日当たりが悪い部分でも、昼間に明るくなりさえすれば光触媒作用を期待できることから、光触媒塗料の主流となりつつあります。

光触媒塗料を選択する場合には、紫外線型ではなくて可視光型を選択するようにしましょう。

セルフクリーニング機能がある

外壁塗装に使う塗料の種類はたくさんあります。価格も機能性も、塗料の種類によって大きな差があります。色々な種類の外壁塗装用の塗料がある中で、光触媒塗料の最大の特徴は、セルフクリーニング機能を持っているということです。

光触媒塗料を塗った部分というのは、光を浴びることで汚れや細菌などの有機物を酸化して除去できます。外壁であればどのような部分であっても、ある程度の光を浴びます。光触媒塗料を外壁塗装に使用すれば、自浄作用のある外壁にすることができるのです。

光触媒塗料を使ったからといって、全く汚れがつかない外壁になるというわけではありません。しかし、50%から70%ほど外壁につく汚れを削減できる効果が期待できます。

光触媒塗料は、外壁の洗浄に使う労力やコストを半分程度に削減できる塗料です。

耐久年数の目安が長い

外壁塗装の一般的な目安は、10年に一度と言われています。しかし、光触媒塗料を使った場合には、15年から20年の耐久性があると言われています。

外壁塗装で塗った塗膜を劣化させる要因は、紫外線と汚れです。光触媒塗料では、紫外線を反射する作用のある酸化チタンなどを光触媒作用のある物質として混入しています。そのために、他の種類の塗料と比較すると、紫外線による劣化の影響を受けにくい特徴があります。

また、光触媒作用による洗浄効果で、比較的に汚れがつきにくいという特徴があります。特に外壁の劣化を早めるコケやカビの原因となる物質も、光触媒作用で付きにくく、他の外壁と比較すると耐久性があると言えるでしょう。

ただし、塗料の耐久性はベースとして使われている樹脂の耐久性に左右されます。耐久性が特に高いフッ素樹脂をベースとして使っていれば、高い耐久性が期待できますが、耐久性が短い樹脂を利用している場合には注意が必要です。

光触媒塗料を使用する場合には、成分をよく確認しましょう。

光触媒塗料の長所と短所

光触媒塗料には、他の塗料にはないメリットが色々とあります。しかし、メリットにばかり目が行ってしまうと、光触媒塗料ならではのデメリットに気がつきにくくなります。

光触媒塗料には、優れた長所がある一方で、利用する時には理解しておかなければいけない短所もあります。こちらでは光触媒塗料の長所と短所について詳しくみていきましょう。

光触媒塗料の長所

光触媒塗料の長所には次の3つがあります。

防汚性能が高い

光触媒塗料の最大の長所は、防汚性能が高い点です。外壁は常に外気にさらされているので、雨や風、大気の中のホコリやチリ、幹線道路の近くであれば自動車の排気ガスによる汚れを避けられません。湿気の多い場所なら、カビやコケの心配もしなくてはいけません。

光触媒塗料は、塗膜が持つ強力な酸化効果で汚れを分解して、カビやコケの原因となる細菌や胞子も分解してくれます。全ての汚れを光触媒効果だけで防止することは出来ませんが、光触媒塗料を使わなかった場合と比べると、外壁のクリーニングの手間を半分以下に減らすことができます。

空気の浄化作用がある

光触媒塗料は、光触媒物質から発生する活性酸素によって空気中に含まれる汚染物質を強力に酸化します。その結果として、光触媒塗料を塗った部分の周囲の空気を綺麗にする効果が期待できます。

光触媒塗料を一般的な戸建ての外壁塗装に使った場合、テニスコート4面分の面積を緑化したのと同じ空気清浄効果が期待できます。

周りに建物や道路が少ない地方なら必要ないでしょう。しかし、建物が多く道路が入り組んでいる街中では、空気の汚れが心配です。少しでも家族の健康を考えるのであれば、光触媒塗料を使って、家の周囲の空気を少しでもクリーンにするという選択肢を考えてもいいでしょう。

害が少ない

光触媒作用というと、化学変化を起こすことなので、安全性に疑問の声を投げかける方もいます。光触媒作用自体には、特に安全性は問題ありません

それどころか、住宅のより深刻な健康被害であるシックハウス症候群の原因物質を分解する作用もあり、シックハウス症候群を解決するための手段になるのではないかと期待されているほどです。

光触媒塗料に主に使われる光触媒物質の酸化チタンは、化粧品のファンデーションにも使われている物質です。肌に直接乗せるものにも使われている物質なので、健康面での安全性には全く問題が有りません。

塗料としての安全性でも、光触媒塗料は水溶性塗料なので安心できます。油性塗料の場合には、有機溶剤を使っているので、大量に吸い込むと頭痛がしたり、気持ち悪くなると言った健康被害が心配されます。

光触媒塗料には、そのような心配は一切ないので安心して利用できます。

光触媒塗料の短所

光触媒塗料を利用する上で、注意しなければいけない短所は次の通りです。

シリコン塗料と比べて費用が2倍

光触媒塗料のデメリットには、費用が高額であるという点があります。現在の外壁塗装で最も使われることが多いのはシリコン塗料です。シリコン塗料の1平方メートルあたりの単価は2,300円から3,000円程度なのに対して、光触媒塗料は5,000円以上です。シリコン塗料の2倍の費用がかかります。

耐用年数もシリコン塗料と比べると、1.5倍から2倍あるので1年あたりのコスパで比較すると、それほど大きな違いは出ません。しかし、1回あたりに支払う金額が2倍近い金額になるという点をデメリットとして考える方は少なくありません。

色味のバリエーションが少ない

光触媒塗料には、黒や茶色などの濃い色はありません。その理由は、光触媒効果を発揮する酸化チタンなどの物質は、白色系の物質で光を反射することで光触媒効果を得るためです。

黒や茶色、紺色などの濃い色味の外壁塗装をしたい場合には、光触媒塗料を利用することはできません。光触媒塗料での外壁塗装をしたい場合には、淡色系の色しか選択できないので、色の選択肢が少ない点をデメリットと考える方も少なくありません。

工程が多く仕上がりに差が出る

光触媒塗料は、上塗りに塗りムラがあると光触媒効果を発揮できません。また、下塗り材や塗装の工法や工程も、メーカーが細かく指定している場合があります。メーカーによっては、その企業の光触媒塗料を使うにあたり講習への参加を義務付けている場合もあります。

工程が細かく指定されているために、仕上がりに差が出やすく、業者間の腕前の差が大きく出てしまいます。また、メーカーからの指定が多いために、業者によっては光触媒塗料を扱うのを嫌がるところもあります。

扱っている業者を探しにくいという点も、光触媒塗料のデメリットとして挙げられます。

施工実績が少ない

光触媒塗料を利用する上でのデメリットには、施工実績が少ないという点が挙げられます。比較的塗料の中では新しい塗料で、まだ使われた実績数がそれほどありません。

耐用年数が15年から20年と言われていますが、実際に塗ってからその耐用年数が過ぎた物件が少なくて、本当の効果を検証できていません

光触媒塗料の中には、当初言われていた耐用年数が、実際には無かった事が実証されてしまった商品もあります。また、塗料の大手3大メーカー(日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研)は、外壁塗装用の開発、製造、販売を行なっていません。

塗料の3大メーカーが、光触媒塗料に興味がないのかといえばそうではありません。3大メーカーからは、建物の内部に使うための光触媒塗料は販売しています。ところが、外壁塗装用の光触媒塗料の発売は今後も予定されていないとのことです。

3大メーカーが外壁塗装用の光触媒塗料の発売に乗り出さないのは、単にコストの面が見合わないと判断したためなのか、外壁塗装用の光触媒塗料の販売を断念せざるを得ない何らかの要因があったためなのか、どちらなのかはわかりません。

しかし、光触媒塗料の実際の効果がわかってくるのは、今後数年たってからだということは理解した上で利用しましょう。

光触媒塗料の選び方

光触媒塗料を外壁塗装に使う場合の業者の選び方ついてお伝えします。

相見積もりの必要がある

相見積もりとは、複数の業者から見積もりを取ることです。光触媒塗料を使う場合に限らず、外壁塗装を依頼する場合には、複数の業者から必ず見積もりを取るようにしましょう。

外壁塗装は10年に1度と頻度が高いために、飛び込み営業で業者がやってくることがよくあります。しかし、飛び込み営業でやってきた業者に決めてしまうと、業者の言い値で納得してしまい、後から相場よりも高い金額だったことに気がつくことも少なくありません。

特に、光触媒塗料は通常の相場も高額なので、悪徳業者に特に狙われやすい塗料です。シリコン塗料などと比較すると高額な塗料ですが、相場の単価は5,000円から5,500円程度です。

相見積もりを取れば、その地域での相場を把握して、提示されている価格が妥当なものなのかどうか分かります

一括見積りサービスを利用すれば、簡単に複数の業者から外壁塗装の見積もりを取れます。光触媒塗料を使った外壁塗装を行っている業者も見つけられるので、ぜひ1度、無料で見積もりを取り寄せてみましょう。

実績のある業者に依頼する

「工程が多く仕上がりに差が出る」でお伝えしたように、光触媒塗料は他の塗料と比較すると、業者の腕前の差が大きく出てしまう塗料です。光触媒塗料での外壁塗装を希望する場合には、必ず光触媒塗料での実績のある業者に依頼することが大切です

現在、多くの外壁塗装業者がホームページを開設しています。ホームページには写真付きで施工実績が記載されています。光触媒塗料の外壁塗装ができるとうたっていても、実際に光触媒塗料を使ったことがあるかどうかはわかりません。

必ず契約する前に、その業者のホームページを確認して、光触媒塗料による外壁塗装の施工実績のある業者を確実に選ぶようにしましょう。

まとめ

この記事で、光触媒塗料での外壁塗装について詳しく解説してきました。セルフクリーニングができて、空気の清浄効果も期待できるということで、光触媒塗料はとても魅力的な塗料です。しかし、大手のメーカーが開発や販売から撤退していることから、少し不安を感じる塗料でもあります。

光触媒塗料を選択する場合には、長所だけではなく、短所もしっかり理解した上で選択することが大切です。また、光触媒塗料の扱いに慣れている業者を見つけることも、耐久性のある外壁塗装を行う上では欠かせません。

適正価格で、実績のある業者による光触媒塗料での外壁塗装を行うためには、やはり相見積もりをしたほうが良いでしょう。ぜひ、光触媒塗料での外壁塗装を検討するのであれば、一括見積もりサービスで見積りを取り寄せてみてください。