スレート屋根とは?メリット・デメリットからリフォーム方法まで解説

屋根の葺き替えには、既存の素材と同様のタイプに葺き替えるケースと、まったく新しい屋根材に葺き替えるケースの2種類があります。屋根材はそれぞれで特徴が異なるためよく把握してから選択する必要があります。

そこでこの記事では、特にスレート屋根にリフォームする際のメリット・デメリットについて解説します。リフォームの方法についても解説しますので参考にしてみてください。

そもそもスレートとは

スレートと一言でいっても2種類のタイプに分かれます。現在は化粧スレートが一般的ですが、天然のスレートを使用することもあります。屋根の葺き替えを行う前にまず屋根材の特徴について理解しておくことも大切です。ここでは、スレートの特徴について解説します。

海外の寺院や城で使われる粘板岩の屋根材

スレートの中でも天然の粘板岩(ねんばんがん)を板状に薄く加工しているものを天然スレートと呼びます。屋根材としてだけでなく外壁材としても使用されることがあります。見た目の特徴は、青黒色で模様が独特な点にあります。高い技術でつくられた高品質と高級感のある屋根材としても有名です。

海外では寺院や城で使われることが多い点も特徴です。国内では東京駅の屋根に使用されています。自然の風合いがある天然石を使用しているため価格が高く、一般住宅で使用されることはあまりないと考えてよいでしょう。

日本では化粧スレートが一般的

一般的な住宅で用いられることが多いのが化粧スレートです。化粧スレートは、セメントに繊維素材を混ぜて薄い板状に加工した屋根材になります。商品名としては「カラーベスト」や「コロニアル」などと呼ばれることがあります。カラーバリエーションが豊富で、外壁の塗装と色合わせができる点が魅力です。デザイン性にも優れていて、平板や波板などから選ぶこともできます。

化粧スレートには、平らで薄さが特徴の「平板スレート」、少し厚みを持たせた瓦状の「厚型スレート」、波型をした「波型スレート」の3種類があります。一般的には平板スレートが主流となっています。これ以外に「石綿スレート」と呼ばれるスレートもありましたが、現在は製造されていません。

石綿化粧スレートにはアスベストが使用されていた時期があります。アスベスト入りのスレートは耐久性が高いといわれていたため当時は需要も多く多数の住宅で使用されていました。ただ、後になってから健康被害を受ける可能性がある、環境への配慮などを理由にアスベストを使用したスレートの製造・使用は禁止されています。平成18年以降はノンアスベストの化粧スレートが製造されるようになっています。

スレート屋根にする4つのメリット

屋根材にはさまざまに種類があり、それぞれに特徴があります。ここでは、スレート屋根を使用するメリットを4点紹介します。屋根の葺き替えを検討している場合には、スレート屋根材のメリットを理解して検討材料のひとつとしてみてください。

屋根材としての価格やメンテナンス費用の安さ

ほかの屋根材と比較して費用がやすい点は、スレート最大のメリットです。リフォームだけでなく新築の場合でも費用が節約できる点で魅力を感じる人もいるでしょう。住宅の屋根で使用される頻度が多い3種類の屋根材の価格やリフォーム費用について比較しておきます。

 スレートガルバリウム鋼板和瓦
屋根材の価格4,200円/㎡6,820円/㎡6,230円/㎡
リフォーム費用6,000円/㎡7,000円/㎡10,700円/㎡
塗り替え費用3,700円/㎡3,200円/㎡塗装不要

瓦より軽く耐震性が上がる

スレートはほかの屋根材と比較して軽量である点もメリットです。屋根は軽いほど建物部分への負担が小さくなるため、地震で建物が揺れた場合でも傷つきにくく、倒壊しにくいという点が特徴でもあります。スレートは和瓦のおよそ半分の重さといわれています。上の項目と同じ種類の屋根材について重量を比較しておきます。

 スレートガルバリウム鋼板和瓦
1㎡あたりの重さ18kg/㎡5kg/㎡48kg/㎡
重量比×3.6×1.0(基準)×9.6

デザイン性に優れている

屋根のデザインはあまりバリエーションがないと考えている人も多いかもしれません。スレートは、デザイン性に優れた屋根材である点がメリットともいわれています。カラーバリエーションは、黒、茶色、グレーなどのシックな色合いから青、緑などの明るめのカラーも選択することができます。そのため和風でも洋風でも使用できる用途の幅広い屋根材でもあります。

形状や質感にもバリエーションがあるため、組み合わせ次第で好みの屋根をデザインすることができる点はメリットといえるでしょう。

スレート屋根の施工を業者に依頼しやすい

このようにスレートは、メリットの多い屋根材です。そのため扱いやすさも相まって、取り扱い業者が多数ある点もメリットといえます。新築の場合もですが、リフォームの場合でもメンテナンス対応外と断られてしまう可能性も低いため、業者に依頼しやすい屋根材でもあります。

スレート屋根にする3つのデメリット

メリットの多いスレートですが、もちろんデメリットもあります。メリットばかりに目がいってデメリットを見落としていると後々トラブルになる可能性もあるため、しっかりと確認しておきましょう。ここではスレートの3つのデメリットについて紹介します。

ほかの屋根材より耐久性が低い

軽量で耐震性が高く、デザイン性も高いスレートですが、ほかの屋根材と比較して耐久性が低く割れやすいというデメリットがあります。化粧スレートは、セメントで構成されているため強風や荷重でヒビ割れが起こる可能性は高いと考えておきましょう。

定期的に点検やヒビの補修が必要

耐久性が低いため、定期的なメンテナンスが必要となる点もデメリットです。おおよその目安として5年に1度の点検・補修がおすすめとなります。和瓦などの屋根材の場合は、不具合を見つけた場合にだけ業者にメンテナンスを依頼すれば問題ありません。ただし、スレートの場合は定期的なメンテナンスを怠ると最終的に大がかりな改修工事を行う必要が出てくるため、頻繁に業者に点検してもらっておいたほうが安心です。

スレート屋根へのリフォームは保証期間なし

スレートの最大のデメリットともいえるのが、保証がないという点です。新築の場合であればメーカー保証がついています。ただし、リフォームに関しては保証の対象外となっています。ほかの屋根材と比較した場合、特にガルバリウム鋼板のような金属製の屋根材については、25年の保証がついているケースもあります。メーカーによっては穴あき保証30年というケースもあります。

屋根材を選択する場合には、こうしたメンテナンスや保証の面にも着目してメリット・デメリットをよく考慮した上で選ぶことが大切です。

スレート屋根へのリフォーム方法は2つ

スレート屋根のリフォームは、屋根を完全に新しくする葺き替えと既存の屋根を残したまま補修するカバー工法の2種類があります。いずれの方法でも屋根の見た目が新しくなる点では変わりありません。ただし、それぞれのメリット・デメリットがあるためよく理解しておきましょう。具体的なメリット・デメリットについて紹介しますので比較した上で、どちらの方法が自宅の補修に適しているか検討してみましょう。

屋根を一から新しくする葺き替え

屋根の葺き替えに関するメリット・デメリットについて紹介します。

メリット

  • 軽量な屋根材に変更した場合は、屋根の重量を軽量化でき耐震性の向上につながる
  • 下地から新しくすることで、長寿命化をはかることができる
  • 屋根材を変えることで外観を一新してイメージチェンジできる

デメリット

  • 屋根を一新するため工期が長くなる
  • 大がかりな工事になるため高額な費用が必要となる
  • 廃材の処分費用が別途必要となる

異なる屋根材からスレートに葺き替えた場合は、屋根が軽量化される点が大きなメリットです。見た目もすっきりとするため外観が一新される点は魅力といえるでしょう。ただし、既存の屋根材の廃棄費用がかかる点には注意が必要です。

既存の屋根を残すカバー工法

今ある屋根を残したままでリフォームする方法をカバー工法と呼びます。別名を重ね葺きとも呼ぶこともあります。カバー工法のメリット・デメリットについて紹介します。

メリット

  • 既存の屋根を解体せずに防水シートと新しい屋根材を乗せるため、屋根材をはがす手間がなく解体費用や処分費用が必要なくなる
  • 工期が短い
  • 工事中も生活を変える必要がない
  • 屋根が二重になるため断熱性や遮音性がアップする
  • 環境に優しい

デメリット

  • 瓦のリフォームには適さない
  • 屋根の重量が重くなる
  • 劣化の状況によっては施工できないケースもある
  • 屋根材の選択肢が狭まる
  • 太陽光発電などの設置が難しくなる

既存の屋根を残すカバー工法は、廃材が少ないため処分費用が節約できる点がメリットです。断熱性や遮音性を向上させたい場合にもおすすめです。ただし、現在の屋根材の種類によっては施工ができない場合もある点には注意が必要です。

葺き替えとカバー工法の比較

葺き替えの場合は、下地からすべて補修することができるため新築時と変わらない状況にすることができます。ただし、その分費用が高額になる点は注意しておきましょう。工期が長くなることで近隣に迷惑をかける可能性もあるため事前の挨拶なども必要となってくる場合もあります。

カバー工法は、既存の屋根を剥がさないため廃材が少なくてすみ工期も短くなります。ただし、選べる屋根材が限られてくる点には注意が必要です。

これらを踏まえると、屋根の劣化がかなりひどく全体的に補修したい場合、屋根材を新しいものにしたい場合などは葺き替えがおすすめです。逆に、既存の屋根材がガルバリウム鋼板などの金属で、全面的な改修は望んでいない場合、工期をできるだけ短くしたい場合などにはカバー工法がおすすめです。

スレート屋根へのリフォームを依頼する業者の探し方

スレート屋根のリフォームは、ほかの屋根材と比較して安価であるというメリットがあります。ただ、安価とはいえそれなりの費用がかかることに違いはないため、依頼業者をしっかりと選ぶことも大切です。業者によって費用が変動する点も理解しておきましょう。信頼できる業者の探し方について解説します。

一括見積もりで相場を調べる

スレート屋根のリフォームを検討している場合、まずは見積もりを取ることをおすすめします。1社の見積もりだけでは費用の相場を知ることができないため、見積もりは複数社から取るようにしましょう。屋根のリフォーム費用は業者によって、10万円単位の差が出ることもあります。そのため、適正な相場を理解した上で業者を選ぶことが大切です。

忙しくて見積もり依頼をすることが大変という場合には、一括見積もりサイトがおすすめです。1度必要な情報を入力するだけで、自宅にいながら簡単に複数社に見積もりを依頼できます。屋根のリフォームを依頼する業者を探したい場合には、外装塗装業者紹介サービス「Excite外壁塗装」がおすすめです。独自の審査基準を満たした優良店のみが登録されており、一括で複数の見積もりを取ることが可能です。

見積書の内訳から業者を絞り込む

複数社から見積もりを取ったら内容を精査しましょう。ポイントは、見積もりの内訳が明確に記載されているかという点です。見積もりの内容に曖昧さがあったり、合計金額が相場から極端にかけ離れていた場合には注意が必要です。

屋根のリフォームをする場合の見積もりには、具体的に以下のような内訳が記載されているためしっかりと確認しましょう。

  • 足場の組み立て費用
  • 下地の解体費用
  • 下地の補修費用
  • 防水シート
  • 解体した屋根の廃棄費用
  • 解体した下地の廃棄費用
  • 新しい屋根材の費用
  • その他の諸経費

これら以外にも項目があるケースもありますが、内訳が記載されず施工一式などと記載されている場合には、その業者は避けたほうがよいでしょう。

最終判断は担当との相性までチェック

リフォームを依頼する場合、見積もり内容だけでなく、担当者の対応も判断材料のひとつと考えておくとよいでしょう。実際に話してみて信頼できるかどうかも大切なチェックポイントです。担当との相性が合わないと、希望通りのリフォームができない可能性が出てくるため、なんでも気軽に相談できる担当者がいる業者に依頼するとよいでしょう。

スレート屋根にするならデメリットに納得してから

スレート屋根には多くのメリットがあります。葺き替えの場合でも、カバー工法の場合でもそれぞれによい点があります。ただし、解説したようにデメリットもあります。どちらの工法でリフォームを行う場合でも、メリットだけでなくデメリットにも着目して進めるようにしましょう。

デメリットに納得しないままで施工を進めてしまうと後悔やトラブルに発展する可能性があります。予算や工期の都合も加味して、どのような施工を希望するかを決定しましょう。その上で、信頼のできる施工業社から見積もりを取り、依頼することをおすすめします。