屋根修理で火災保険は使えるのか?適用されるケースと申請方法を解説

屋根が経年劣化で壊れてしまった場合、自己資金で修理する必要があります。ただ、自然災害で予想もしない状況で屋根が壊れてしまうこともあるでしょう。

もしも屋根が壊れてしまった場合は、火災保険が適用される可能性を探ってみましょう。火災保険に加入しているなら保険金で修理代を補填することができるケースもあります。どのような条件に当てはまれば補償してもらえるのか気になるところでしょう。

この記事では、火災保険で屋根の修理費用を補償してもらうための条件について解説します。

屋根修理で火災保険が適用できる5つのケース

屋根が壊れてしまった場合には加入している火災保険の保険金で修理することができるケースがあります。保険の適用条件としては屋根の破損が何を原因として起きたのかという点が重要となります。そこで、ここでは屋根の修理で火災保険が適用できる5つのケースについて解説します。

台風や強風による風災

火災保険の適用で屋根の修理費用が保険金として出されるケースとして、台風や強風による風災被害で屋根が壊れてしまった場合があります。ただし、これには一定の条件が満たされていることが必要となります。以下に簡単にまとめておきますので確認してみてください。

  • 経年劣化ではなく明らかな風災であると認められること
  • 屋根が壊れてから3年以内であること
  • 屋根の修理にかかる費用が20万円以上であること
  • 本人が申請すること

ここにあげたすべての条件が適用された場合に保険金が下りる可能性が高くなります。

突発的に起きるひょう災

加入している保険のプランを確認した時に、ひょう災で屋根が壊れてしまった場合の保証をしてくれるプランであるケースもあるでしょう。雨や雪と違ってひょうは氷の塊が空から落ちてくるので屋根が壊れてしまう確率も高くなるでしょう。スレート屋根や瓦なら割れてしまうこともあるでしょう。金属の屋根の場合は凹みが目立ってしまうようになることもあります。ひょうが降ることは滅多にないことですが、過去には関東地方で大きな被害が起きたこともあります。

地域によっては起きやすい雪災

雪による災害も火災保険の適用対象となります。災害になるほど雪が降るというのは地域によりますが、雪の重みによって屋根が壊れてしまうことも十分に考えられます。雪は少量だけを見るとやわらかい感じがします。でも、新雪の場合で1㎡あたりおよそ3kg、圧縮された雪の場合で5kgの重みがかかるとされています。

たとえば、50㎡の広さの屋根に10cmほどの雪が積もったらどのくらいの重さになるのかを計算してみると、新雪でも1,500kg、圧縮した雪では2,500kgもの重さになります。そうなると軒先が歪んだりすることもあります。

内陸でも安心できない水災

水の災害も怖い自然災害のひとつです。水の災害で屋根が壊れた場合も保険の適用範囲となることがあります。具体的には以下のような被害が起きた場合です。

  • 洪水
  • 高潮
  • 土砂崩れ

水災によってこうした災害が起きた場合には補償の範囲内で保険が適用されることになるため、まずは保険会社に相談してみましょう。

延焼も対象となる火災

火事が起きた場合には、落雷が原因で火災が起きた場合やガス漏れによる爆発での火災被害も補償の対象となります。屋根は建物に含まれるため、落雷や火災で破損した場合には、原状回復に必要な費用が補償されることになります。たとえば、火災が隣家に燃え移った場合には賠償責任保険の対象となります。

屋根修理で火災保険を申請する方法

経年劣化による屋根の補修は自己負担となりますが、自然災害が原因で屋根が壊れた場合には火災保険が適用されることもあります。保険を利用して壊れた屋根を修理するにはどんな手続きを取る必要があるのでしょうか。ここでは、実施に被害が起きたときに必要な手続きについて解説します。

屋根修理の業者に見積もりを出してもらう

まずは屋根の修理にいくらかかるか見積もりを取りましょう。1社だけでなく複数社から相見積もりを取って適切な費用を出すことが重要です。忙しくて複数社から見積もりを取ることが難しい人には、一括見積もりサービスの利用がおすすめです。

信頼できる業者に相談できれば見積もりも安心して依頼することができます。火災保険で屋根の修理ができる場合には、正しい見積もり書を提出しなくてはなりません。外装塗装業者紹介サービス「Excite外壁塗装」では、自社独自の審査基準を満たした優良塗装店のみが登録されており、一括で複数の見積もりを取ることが可能なためおすすめです。

加入している保険会社に連絡して書類を提出

見積もりを取得してある程度の費用が算出できたら、加入している保険会社に連絡しましょう。連絡した際には、契約者の氏名、加入している保険会社から発行された保険証券の番号、災害が起きた日付と時間、被害があった場所、被害を受けた時の状況などを伝えましょう。被害状況は自分でわかる範囲で問題ありません。業者に現場確認をしてもらった場合には、その内容を伝えてもよいでしょう。

連絡をしたら必要書類の提出を行います。保険会社に提出する書類は、以下のとおりです。

  • 保険会社から渡される保険金を請求するための書類
  • 災害の事実がわかる証明書
  • 被害状況がわかる写真
  • 修理を依頼した業者からもらった見積書や報告書

万が一、被害の程度が甚大である場合は印鑑証明書や建物登記簿謄本などの提出も必要となる場合もあります。

火災保険の適用が承認されたら工事を開始

必要書類を提出すると保険会社で書類の内容が審査されます。おおよその目安として2週間程度の時間が必要となります。書類の内容に問題がなければ承認確定の連絡が入るでしょう。被害が甚大な場合には、2週間以上かかることもあります。

承認が得られたら、実際に工事を行うための打ち合わせを行い、工事内容や工期などについて決定し、修理を開始するようになります。

屋根修理で火災保険を適用する上での注意点

自然災害で屋根が壊れた場合、加入している火災保険を利用することができる可能性を解説してきました。一定の条件を満たさなければ補償の対象ではありませんが、屋根が壊れてしまって火災保険で修理したい場合には注意しておきたい点がいくつかあります。ここでは注意点を5つ解説します。

修理費用が少額だと火災保険が使えない

屋根が壊れてしまったので、修理費用を火災保険で補いたい場合は、自分が加入している保険の内容をしっかりと確認することが大切です。上の項目で解説した条件の中に「屋根を修理するための費用が20万円を超える必要がある」という項目がありました。この点を特によく確認しましょう。

被害がさほど大きくない場合には20万円に届かないケースももちろんあります。ただ、屋根の修理では足場を組んで作業することがほとんどです。足場の組み立て・解体費用の相場は10万円程度となっています。

つまり足場費用だけで10万円となるため、それ以外の補修工事で10万円以上支払う必要が出た場合には保険金の支払いが行われます。1点ほど注意しておきたい点は、見積もりを取っていたとしても火災保険会社の鑑定人が見積もり内容と異なる鑑定結果を出してくるケースもある点です。

業者の中には、確実に保険金がもらえるというような言葉で契約を結ぼうとするところもあります。あくまでも鑑定するのは火災保険会社であることは覚えておきましょう。

火災保険が適用できても無料になる保証はない

被害を受けた状況に応じて火災保険が適用される可能性について解説してきましたが、修理費用が必ず無料になるという保証はありません。ポイントは、自分が加入している保険の内容です。火災保険では補償額の上限が定められているケースが多くあります。

たとえば、加入している保険の補償上限が20万円だった場合、20万円を超えてかかった費用については自己負担となります。屋根の修理は、足場代や廃棄物の処理費用などがかかる上、屋根材の種類や補修方法によって費用が大きく変動します。場合によっては100万円以上かかるケースもあるため、思わぬ出費が発生する可能性も考えておきましょう。

火災保険の申請代行でトラブルに

火災保険の申請は本人が加入している保険会社に対して行うことが前提です。注意したいのは、修理業者の中には「火災保険の申請まで引き受けます」と申し出てくるところもあります。火災保険の請求は、誰かが代わりに申請することはできません。そのため、こうしたことを言ってくる業者は悪徳業者である場合があると考えてよいでしょう。

もしも、代行で行えたとしても本当に信頼できる業者でない限り、虚偽の申請をされてしまう可能性もあります。「火災保険が必ず利用できるから費用は無料になります」などと言っておきながら、実際に契約を交わしてから保険が下りなかったというトラブルが起きることもあるためよく注意する必要があります。

屋根の被害が直近でなくても構わない

火災保険の申請は、屋根が壊れてしまって修理が必要となった時から3年以内に限定されています。3年を超えると申請できなくなるため注意が必要です。逆を考えると、被害を受けてからすぐに申請しなくても問題ないということになります。

被害が出てから早めに申請するほうがよいことに変わりはありませんが、業者の中には「早く契約して申請しましょう」などと保険の申請を急かして悪徳なセールスを行うところもあります。

そのため、最長で3年は大丈夫と言い聞かせて、落ち着いてしっかりとした見積もりを出してくれる業者を見つけてから保険の申請をするようにしましょう。

地震による火災や水災には適用できない

火災保険にだけ加入している場合、地震による火災や水災で屋根が壊れた場合には保証の対象外になってしまうことがあります。地震での補償を受けたい場合には、火災保険とは別に地震保険への加入が必要となります。または、火災保険に地震保険を付帯することで補償の範囲を広げることもできます。

もうひとつ、保険が適用されないケースとして経年劣化による屋根の補修がある点にも注意が必要です。あくまでも自然災害による被害が補償の対象となるため、その点はしっかりと覚えておきましょう。

火災保険以外で屋根修理を節約する方法

火災保険の適用が受けられないケースでも、屋根の修理費用を節約する方法はあります。屋根を修理するには大きな金額が必要となることもあるため、保険の適用外であるとわかった時点でどのように節約して修理するかを考えましょう。ここでは、火災保険以外で屋根の修理にかかる費用を節約する方法について解説します。

費用が安い屋根修理の方法を選択する

屋根の修理の方法には、いろいろな工法があります。塗装、葺き替え、カバー工法などが主な方法です。ここでは屋根の葺き替えとカバー工法の特徴とそれぞれのメリット・デメリットと費用について解説します。

葺き替え工事

屋根の葺き替え工事にかかる費用は、施工する屋根の面積と使用する屋根材の素材で変動します。ここでは一般的な住宅の広さといわれている30坪(屋根面積100㎡)の家を例にして、素材ごとの費用を表にまとめて紹介します。

屋根材の素材材料費1㎡の単価
化粧スレート50〜80万円5,000〜8,000円
アスファルトシングル60〜80万円6,000〜8,000円
ガルバリウム60〜90万円6,000〜9,000円
セメント瓦60〜100万円6,000〜10,000円
日本瓦80〜120万円8,000〜12,000円
銅板180〜200万円18,000〜20,000円

葺き替えにはこれ以外に足場の組み立て・解体費用、下地補修、防水シート、廃棄物の処理費用などの諸経費も必要となります。

カバー工法

カバー工法は、別名を重ね葺きと呼ばれる施工方法です。今ある屋根を解体せずに防水シートと新しい屋根材を上から重ねて乗せる工法です。屋根材をはがす手間がない分、解体費用や処分費用が必要ありません。その分、費用が節約できる点はメリットです。ただ、2004年以前に製造されたスレート屋根の場合は、アスベスト対策を行う必要があるため費用が高額になる可能性がある点はデメリットといえるでしょう。

カバー工法にかかる費用については、1㎡あたり8,000〜10,000円が相場とされています。家の状況によって価格が変動しますが、おおよその目安として60〜250万円程度と考えておくとよいでしょう。

補助金や助成金を申請する

屋根の修理を行う場合、長期優良住宅化リフォーム推進事業の対象になる可能性があります。この事業は、有資格者による建物調査、性能向上のためのリフォームや三世代同居などへの対応、適切なメンテナンスにより既存住宅ストックへの長寿命化に資する優良な取り組みについて国が工事費用の一部を助成する制度です。補助金には以下の3種類があります。

評価基準型100万円一定の耐震・耐久・省エネ性を確保劣化部分を修繕して耐震性を強化、断熱リフォームなどが対象
認定長期優良住宅型200万円より高い耐震・耐久・省エネを確保フルリフォームでより長く安心して使える高性能な家にする
高度省エネルギー型250万円認定長期優良住宅型をさらに高省エネ化フルリフォームで高性能化し、さらに光熱費の少ない家にする

これ以外にも、国や地方自治体が行なっている補助金・助成金制度が利用できるケースがあります。いくつか実例を紹介しておきます。

東京都

東京都では、市町村が行う住宅および建築物耐震関連事業に必要な費用に関して補助金を交付するとしています。対象工事は地震災害対策のための工事です。診断をしただけで3分の2、設計をしただけで3分の2、改修を行なった場合で23%の補助金が交付されます。

静岡県

静岡県では、建材の利用促進を目的とした補助金制度を展開しています。新築・増改築、リフォームの際に静岡県が指定した「しずおか優良木材等」を10㎡以上使用した場合に規定の補助金を交付するとしています。

外壁の修理も一緒にしてしまう

長い目で見たとき、屋根の修理費用を節約するために外壁の修理を同時に行うという方法もあります。外壁の修理を同時に行うと余計に費用がかさむのではと思う人もいるでしょう。確かに費用は高額になります。しかしながら、外壁のメンテナンスをいずれは行う予定という場合には、思い切って同時にしてしまう方がトータル的に費用の節約になります。

屋根の修理と外壁の修理では、いずれも足場を組んで行うケースが多くあります。足場は組み立てと解体でおおよそ10万円以上の費用がかかるといわれています。もしも屋根と外壁を別々に行うと、足場の費用が2回必要となるため単純に計算しても10万円の費用が浮くことになります。

屋根修理を依頼する前に火災保険が使えるか相談

屋根の修理を行う場合、火災保険の適用対象となるかどうかを確認することも節約のポイントです。特に台風や大雪のあとなどに屋根に被害が起きた場合には、早めに加入している火災保険の会社に連絡してみましょう。

火災保険の対象になった場合には、工事費用の見積もりなどが必要となりますが、焦って先に見積もりを取ろうとすると悪徳業者に騙されてしまうこともあります。火災保険の適用期間は3年以内となっているため、焦らずにまずは保険会社にしっかりと相談しましょう。