塗装係数を使うと正確な屋根面積がわかる|見積書でだまされない方法

屋根の塗装を依頼する際の費用は、素人にはわかりにくくだまされていないかと不安を感じる人は多いでしょう。塗装代金は、使用する塗料の種類や面積によって異なります。

そのため、正確な面積がわからないと塗料の必要量を見誤ることになります。見積りの段階で正確な塗装面積を計算することが重要です。

ただし、屋根は平面の屋根ばかりではないので、正確な面積をだす時には、塗装係数を使って曲面などを考慮した面積を計算します。

ここでは、塗装係数の使い方や自分の屋根の正確な面積を知るメリットについて解説します。

塗装係数はなぜ必要なのか

屋根を見てみると平らな屋根ばかりではありません。瓦屋根のように複雑な曲線がある屋根もありますし、棒状のラインがある屋根もあります。

屋根に曲線などがある場合、軒の長さと斜面の長さを乗じた平面の面積よりも大きくなります。そして、面積が広くなればなるほど、必要な塗料の量も増えます。

そのため、正確な費用が知りたい時には、実際に平らに伸ばして平面として考えた時の面積を使用して塗装費用を計算します

この塗装面積を算出する時に使用するのが塗装係数です。屋根材の塗装係数はネットなどで簡単に確認できるので、それを利用して簡単に計算できます。

屋根材の塗装係数と表面積の求め方

塗装係数を知っていると、瓦屋根のような複雑な形の屋根面積も簡単に求められます。ここでは、屋根材の形ごとの塗装係数や面積の計算の仕方を解説します。

屋根材がJ型の和瓦の場合  

お寺や神社でも使われている伝統的なデザインの和風の瓦です。波型で水切れがよいのが特徴です。和風の住宅によく使われています。

コンクリート瓦やモニエル瓦、粘度瓦があります。瓦に曲線があるため、塗装面積を出す時には、塗装係数1.08を乗じて計算します。

軒の長さ × 斜面の長さ × 1.08 = 塗装面積

この計算式で瓦の曲面がある面積が求められます。

屋根材が波形の瓦の場合  

M型とも呼ばれる形状の洋風瓦です。曲線が多いのが特徴です。山が二つあり谷部分が深いのでMの形状に似ています。波のように見えるため、波型とも呼ばれます。セメント瓦やモニエル瓦に多い形状です。

曲線が多いため塗装面積が広くなるため、塗装費用も平面が多い形状に比べると高くなります。この形状の瓦は、軽量なものが多いため、耐震性を高めたい時に使われることがあります。また、厚みがあるものが多く、断熱効果が期待できます。

軒の長さ × 斜面の長さ × 1.16 = 塗装面積

塗装係数は1.16となり、塗装面積は上記の計算式で計算できます。

屋根材が立平葺きの場合

立平葺きは、金属の板でできた屋根で瓦棒屋根の形状と似ていて、垂木を使うことなく作られた屋根です。金属板を棟に対して縦方向に並べて重ね合わせています。重ねてある部分が突起になりその突起と突起の間の平らな部分の幅(働き幅)で塗装係数は変わります。

この働き幅を390mmとした時の立平葺きの塗装係数は、1.15となります。

軒の長さ × 斜面の長さ × 1.15 = 塗装面積

比較的材料費が安く、軽量で、緩やかな勾配の屋根でも雨漏りがしにくいという特徴ががります。

屋根材が瓦棒葺きの場合

瓦棒葺き屋根は、金属屋根の一種で、棟から垂直に伸びる心木に金属の板を固定するタイプと心木なしで金属板を重ね合わせて作るタイプがあります

平らな働き幅の部分と心木の面積や重ね合わせた部分(通し吊り子の部分)の面積が塗装面積になります。

心木があるタイプの塗装係数は1.14で、通し吊り子のタイプは製品によって働き幅の長さが異なりますが、418mmとして通し吊り子の高さを30mmとすると1.14となります。

この係数を乗じると塗装する面積が計算できます。

軒の長さ × 斜面の長さ × 1.24または1.14 = 塗装面積

瓦棒葺きは、心木を使用するタイプはそこから雨水を吸い上げて腐食の原因となることもあり、近頃では、心木を使わない立平葺きが増えています。

塗装係数が使われない屋根材の場合

屋根には、スレート屋根や成型金属屋根、アスファルトシングルなど比較的凹凸の少ないタイプの屋根もあります。

まったく凹凸がないわけではないので、正確には軒の長さと斜面の長さを乗じた面積よりも少し大きくなります。

しかし、面積にそれほど大きな差がでないため、これらの形状の屋根では係数を使わずに塗装面積を計算します。

軒の長さ × 斜面の長さ = 塗装面積

これを見てもわかるとおり、屋根が平らで凹凸が少ないほど塗装面積が少なくなり費用も抑えられます。

自宅の屋根面積を求める方法

屋根材の塗装係数を知らなくても簡単に面積が求められる方法があります。ここでは、自宅の屋根の面積を床面積や勾配伸び率を使って求める方法を解説します。

概算で求めるなら床面積を使う  

屋根面積は、おおよその面積であれば家の1階の床面積がわかると計算できます。1階の床面積が分からない場合には、実際に家の縦横の長さを計測するとよいでしょう。

床面積から計算する場合にも係数が用意されていて、その係数は1.5となります。

1階の床面積 × 1.5 = 屋根面積

この方法でだいたいの屋根面積がわかります。

正確に求めるなら屋根投影平面積と勾配伸び率を使う  

屋根の面積は屋根の頂点から軒までの角度によっても面積が異なります。屋根を上空から見た時の屋根の塀面積を屋根投影面積といいます。

角度が小さいと、屋根投影面積と勾配を考慮して計算した屋根面積はそれほど差がありませんが、角度が大きくなるほど斜面の長さは長くなり面積も大きくなります。

そして、屋根の底辺と高さから屋根の斜面を求めるときの数値を勾配伸び率といいます。

このように屋根の面積をより正確に求めるときには、屋根の角度を考慮した屋根の勾配伸び率を使って計算します。

屋根投影平面積 × 勾配伸び率 = 屋根面積

建物図面を見ると分数勾配が表記されています。その分数勾配から勾配伸び率を調べて計算しましょう。勾配伸び率はネットでも簡単に確認できます。

図面がないならメジャーで実測  

建物図面がない場合には、屋根投影平面積をメジャーやレーザー距離計で計測して面積が計算できます。この場合には、屋根の勾配を計測する勾配計測器が必要です。

勾配が分かれば、勾配伸び率がわかるので先程の屋根投影平面積に乗じると面積がだせます。

多少の誤差が出てしまうかもしれませんが、塗装費用を計算する時に利用するには問題がない誤差でしょう。

坪数ごとの屋根面積の目安

屋根の面積を知るには、実際にメジャーなどを使って計測したり、建物図面を調べて計算する方法があります。しかし、手間や時間がかかるため、面倒に感じる人もいるでしょう。

坪数屋根面積
2040~44
3055~64
4075~84
5095~105

上記の表は坪数あたりのおおまかな屋根面積です。おおよその面積を知りたいだけであれば上記が参考にできます。

ただし、屋根の勾配が急な場合には、面積は広くなるため上記の表の数字よりも大きくなります。上記の数字は、おおよその目安として参考にして下さい。

塗装の見積もり書で後悔をしない業者の探し方

見積書には、塗料の単価や施工する範囲、数量など細かく記載されています。ここでは、見積書をチェックする時のポイントを解説します。

トータルの費用は相見積もりで比較  

屋根の塗装を依頼する時には、いくつかの業者に見積もりを依頼して比較することが大切です。屋根の塗装が初めての場合、費用の予測がつかないため、1社だけの見積もりを見てもその金額が妥当な金額がわからない人が多いでしょう。

比較することで相場価格がわかり、適正価格を出す優良な塗装業者が選べます。塗装業者を選ぶ時にはこのように比較することが大事なのですが、いくつもの会社に1社1社見積もりの依頼をするのは手間も時間もかかります。

一括見積のサイトを利用すると、一度に複数の業者に見積もりが依頼できます。無料で依頼できるので、相場価格が知りたい時や、業者を比較して選びたい時に便利です。

塗装の内訳が細かく書かれている  

見積書を見る時にも、良い業者を見分けるポイントがあります。良い業者の見積書は、作業工程ごとの単価や単位、数量が細かく記載されています。

塗料もどのメーカーの塗料を使っているのか詳しく表記されています。そのため、平方メートルあたりの単価と施工範囲が表記されているので、正確な費用がわかります。

中には、このように工事の内容を記載せずに「一式」と表記して合計金額が記載されている場合があります。このような場合には、どのメーカーの塗料を使っているのかがわかりませんし、塗装する範囲もわかりません。そのため、塗装費用を水増しされても気がつくことができません。

見積書をチェックする時には、工事の工程ごとに費用が細かく記載されているかを確認しましょう。

妥当な塗装面積を算出している  

屋根に塗る塗料は、施工面積で計算されます。そのため、正確な面積がわからないと、塗料の量が変わり費用が変わる可能性があります。

見積書を見る時には、単価を見るとともに、面積も確認しましょう。この時、屋根材の形状に合わせた計算方法を行って出した数値かを確認しましょう。大まかな面積で計算していると、塗料が足りなくて追加で請求されたり、薄めて使用して耐久性に影響したりする場合があります。

そのため、見積りを見る時には事前に自身で屋根の塗装面積を計算してからチェックするとよいでしょう

塗装係数や費用の疑問点を質問  

屋根の形は、平面として計算して塗装面積を出す比較的平らな屋根もありますが、曲線や凸凹がある屋根も少なくありません。そのため、簡単にこのような屋根の面積が計算できるように塗装係数を使います。

素人には塗装係数と言われても耳にしたことがない人がほとんどでしょう。そのため、見積書を見てわからない言葉や疑問に思うことが多いのではないでしょうか。

元となる面積の出し方や、わからない工事があるのなら必要性や費用についても質問しましょう。

丁寧にわかりやすく説明してくれる人なら、安心して工事を任せられます。業者を選ぶ時には見積もり金額だけでなく、担当者の誠実さや対応の仕方なども考慮して選ぶと良いでしょう。

塗装係数を考慮して塗装費用を節約するコツ

塗装費用は塗装する面積が増えると、費用が上がります。ここでは、塗装費用を抑えるコツを解説します。

塗装係数が小さい屋根材にする  

屋根の塗装の費用は、使う塗料の量に比例するため、複雑な形状で面積が大きくなるほど費用が上がります。このことから、少しでも費用を抑えて塗装を行うなら、屋根材選びが大切です。

波型のように塗装面積が大きくなる屋根材は、塗料の量も増えるため高くつきます。塗装を安く抑えるなら塗装係数の小さい屋根材を選択するとよいでしょう。

比較的面積が小さい化粧スレートや成型金属屋根なら係数も小さいのでおすすめです。

目的に合った塗料を選ぶ  

塗料には、アクリル系塗料やウレタン系塗料、シリコン系塗料など様々な種類があります。そして、塗料の成分によって耐用年数が変わります。

耐用年数が長いものだと20年近くもちます。しかし、アクリル系塗料のように耐用年数が短いものだと、耐用年数が長いフッ素系の塗料に比べると倍近い頻度で塗り替えが必要です。

そのため、安い塗料を使用してその時の費用を抑えるよりも、耐用年数が長い塗料を選ぶと、長い目で見ればトータル的にメンテナンス費用は少なくすむ可能性があります

塗装係数を使わないと塗装費用を見誤る

塗装係数を使えば、正確な屋根の面積がわかるので塗装に必要な塗料の施工の費用がわかります。正確な面積を知ることは、見積書の内容が正しいかどうかを判断するときに役立ちます。

必要な塗料の量が正確にわかるので、足りなくなることもなく必要な厚みで塗装が行えます。

屋根の塗装を依頼する時には、見積書の面積を確認し、多めに請求されたり、面積に合った塗料の量が使われているかなどを確認しましょう。屋根面積がわかっていると、屋根塗装で騙されることも少なくなりますので、ぜひこの記事を参考にして、適正価格で塗装工事を行ってください。