漆喰の壁を塗装できれいにしよう!注意点やDIYでの塗り方とは

漆喰(しっくい)は歴史の長い建材です。城や神社、寺、民家、土蔵などの壁に使われてきました。外壁以外にも接着剤としての用途もあります。近年では、漆喰のデザイン性を好んで外壁に使用する人もいます。

耐久性が高い点が魅力でもある漆喰ですが、定期的なメンテナンスを行う必要はあります。そこでこの記事では、漆喰の壁を塗装でメンテナンスして長持ちさせる方法について解説します。

そもそも漆喰で作られた壁とは

消石灰を主原料に海藻や砂、刻んだ麻などを混ぜて水で練ったものを漆喰と呼びます。外壁材や接着剤として長く建築に用いられてきた素材です。漆喰で作られた壁は、調湿機能が高い点が特徴となっています。

湿度が高ければ湿気を吸い取り、低ければ湿気を放出するため、湿度の高い日本では、昔から内装の壁材としても使用されてきました。

漆喰で塗装する3つのメリット

漆喰を外壁や内壁に使用する人も増えてきています。漆喰は、サイディングなどの外壁と比較して個性を出しやすい点に人気が集まっています。サイディングも豊富なカラーバリエーションとデザインが用意されているため、個性を楽しむことはできます。

ただ、漆喰の場合は塗りの技術で仕上がりがかなり異なるため、ほかの家とは異なるオリジナリティを前面に出すことが可能です。ここでは、こうした漆喰塗装で得られるメリットについて解説します。

湿度調整や消臭効果で快適な家

漆喰に調湿機能があることは前項で解説しました。漆喰には肉眼では見えないほどの大きさの穴が無数に開いています。この穴が湿気をコントロールしてくれるのです。

湿度調整機能が高いため、カビやダニを抑制してくれる点はメリットといえます。

さらに漆喰の強アルカリ性成分は、消臭効果の高さも魅力です。生活臭だけでなく、ペットの臭いや薬剤を用いる職場でも臭いの軽減を目的に漆喰が利用されることがあります。

オリジナリティのある見た目になる

漆喰は左官職人が手作業で仕上げていく点が特徴です。手作業ならではの味わいを楽しめるとして漆喰を採用する人も多くいます。

カラーバリエーションやデザインが豊富であるとはいえ、ある程度デザインが固定されているサイディングと比較しても、手作業によるオリジナリティや重厚感を出せる点はメリットといえるでしょう。

場合によっては、家族の記念になるようなデザインを施すことも可能です。重厚感や高級感があり個性的なデザインの外観を求める人にはおすすめの塗装です。

メンテナンスをすれば高い耐久性を維持

漆喰の耐用年数は100年とも言われています。ちなみに、モルタルやサイディングの耐用年数は20〜40年ほどといわれています。漆喰はこれらの外壁と比較すると倍以上の耐久性があることになります。

とはいえメンテナンスをせずに、これだけの耐久性を維持することは難しいでしょう。定期的なメンテナンスを行うことで耐久性を維持します。

漆喰の壁を塗装する4つの注意点

メリットの多い漆喰の壁ですが、塗装を行う上で注意しておきたい点もあります。使用する塗料の種類や費用、職人の技術力などについても気をつけておく必要があるでしょう。ここでは、4つの注意点を紹介します。

使える塗料の種類は限定される

漆喰に塗装を施す場合、使用する塗料をしっかり選別する必要がある点には注意しましょう。一般的な塗料を塗装することができないわけではありません。ただ、塗料の種類によっては塗装から1、2年ではがれてしまうこともあります。

しっかり選別した塗料で塗り上げた場合、漆喰外壁のトラブルを軽減することができるため、塗料の選別は業者としっかり打ち合わせしましょう。おすすめは日本ペイントの「ケンエース」や関西ペイントの「アレスシックイ」です。

漆喰での塗装は費用が高額

漆喰の塗装はほかの外壁と比較して施工費用が高額である点には注意が必要です。以下に比較表を示しておきますので参考にしてみてください。

塗料の種類単価相場/平方メートル耐用年数
アクリル塗料1,000〜1,200円4〜7年
ウレタン塗料1,800〜2,000円6〜10年
シリコン系塗料2,500〜3,500円8〜15年
フッ素系塗料3,500〜4,500円15〜20年
遮熱・無機などの特殊塗料5,000〜5,500円15〜20年
漆喰6,000〜10,000円100年

施工には技術が求められる

サイディングの場合は、仕上がりが職人の技術力に左右されることはさほどありません。その点では安定した品質が保証されるため、安心して作業を任せることができるでしょう。漆喰はオリジナリティが出せる反面、職人の技術力が求められる施工です。

湿気を吸いやすく放出しやすい塗装であるため、季節によって調整しながら塗装していく必要があります。さらに、壁を均等に平たく塗る技術が必要となります。信頼できる職人を探すにはまず信頼できる業者を見つける必要があります。

一括で複数社に見積もりが取れる外装塗装業者紹介サービス「Excite外壁塗装」なら、自社独自の厳しい審査基準を満たしている業者のみと提携しています。そのため、安心して見積もり依頼をすることができると同時に信頼できる業者を見つけることもできるでしょう。

漆喰を塗ると工期が長い

漆喰の塗装は乾燥に時間がかかる点が特徴です。乾燥に時間がかかるということは工期が長くなるという点には注意が必要です。

足場を組むこともあるため、長期間にわたって家の周辺を足場で囲まれた状況で生活する期間が長くなります。さらに、費用も高額になる可能性がある点は理解しておきましょう。

漆喰塗装はDIYでできるのか

内装に漆喰を使用するケースも多数あります。調湿機能があるため、温度管理や消臭効果が期待できる点がメリットだからです。

ただ、漆喰の施工は高額なため、自分で塗装できないかと考えている人もいるでしょう。ここでは、漆喰塗装をDIYで行うためのコツについて解説します。

手軽な漆喰塗料を使えば塗装できる

漆喰塗料の中には、DIYに向いているものもあります。自分で塗装を行う予定であるならば塗料の選択に注力することがおすすめです。最近では、練り混ぜの必要がなくふたを開けてすぐに塗れる塗料もあります。

下塗りも不要でブロック塀や門柱などにも手軽に塗ることができます。粘度がやわらかく、初心者でも扱いやすい塗料です。漆喰ならではの凸凹感のある仕上がりを簡単に作り上げることができます。

DIYでの漆喰塗装に必要な道具

漆喰を自分で塗装する際に必要な道具にはどのようなものがあるのでしょうか。スムーズに作業を進めるために必要な道具について解説します。

必要な道具必要な理由
塗料初心者でも扱いやすい塗料を用意する
こて板漆喰を塗りつけるときに、一度板にのせてから伸ばして使う
手袋手荒れを防ぐために最初から最後まで着用する
おたまやしゃもじ、スコップなど塗料を多めに取り出すのに便利なため
スクレーパー塗布する面についた汚れや藻を落とすため
布ヤスリ150番のヤスリがおすすめ、取りにくい汚れをはがすため

漆喰塗装の塗り方

DIYで漆喰を塗装する場合は手順を間違えないように注意しましょう。漆喰塗装の手順について解説します。

  • 養生を行う
  • 下地を塗る
  • 下地剤を塗る
  • 漆喰を塗る
  • 乾燥させる
  • 2度塗りをする
  • コテで平らにする、スポンジで穴模様を描く
  • 養生をはがす
  • 道具を洗う

おおよそこのような流れで作業していくとスムーズに作業が進むでしょう。

DIYの漆喰塗装でデザイン性を高める方法

漆喰塗装をDIYで行うメリットは、自分好みのデザインに仕上げることができる点にもあります。仕上がりの段階でナゼバケを使えば弧を描く虹のような模様を壁に描くことができるでしょう。

スポンジを使うと、スポンジの穴が壁に転写されてストライプのような模様を描くことができます。これ以外には、工事を行なったときの家族の手形など記念になるものを残すこともできるでしょう。

漆喰塗装で費用を抑えきれいに仕上げる方法

漆喰塗装はほかの塗装に比べて費用が高額になる点はすでに説明しました。場合によっては2倍、3倍の費用が必要となる可能性もあります。漆喰塗装で費用を抑えるにはどのような方法があるのでしょうか。

ここでは、費用を抑えながら外観もきれいに仕上げる方法について解説します。

専門技術をもった職人がいる業者に依頼する

漆喰の塗装はDIYで行うこともできる塗装方法です。DIYの仕上がりに味わいを感じられる人であれば、自分で行なったほうが費用を抑えられて納得いく仕上がりにできます。

ただし、重厚感のある外観を求める場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。業者に依頼して美しく仕上げながらも費用を節約するには、高い技術を持った職人のいる信頼できる業者に依頼することが大切になります。

特に、左官技能士や塗装技能士という資格を持った職人が在籍している業者はおすすめできます。さらに、漆喰塗装の実績が豊富な業者であれば安心して依頼することができるでしょう。

相場を把握し高額な業者には依頼しない

漆喰塗装を行う場合、まずは費用の相場を把握することからはじめましょう。チラシや看板だけで業者を決めてしまうと相場を理解しないままで依頼することになるため、業者を探す際には複数社に見積もりを依頼することをおすすめします。

相見積もりを取ることで正確な相場を把握することが節約につながることにもなるでしょう。業者を探すには自分で1社1社足を運んだり連絡をとったりする方法もあるでしょう。ただし、忙しい人にとっては手間のかかる作業になります。

そのため、一括見積もりサービスを利用すると便利です。一括見積もりサービスは、1度自分の情報を入力するだけで、同時に複数社に見積もりを依頼することができます。

災害による外壁の漆喰の崩れには保険を利用

現在住んでいる家の外壁が崩れてしまったというケースもあるでしょう。崩れた原因が災害であった場合、加入している火災保険を利用することができる可能性があります。

火災保険というと、火災だけが適用範囲と考える人も多いでしょう。しかし、火災保険は火災だけではなく、台風や大雪、雷、洪水などの自然災害も適用範囲となることもあります。

火災保険には、住宅火災保険と住宅総合保険の2種類があります。総合住宅保険のほうが適用範囲が広い点が特徴です。具体的には、自然災害以外に人的被害にも対応している点が挙げられます。

外壁塗装で火災保険を使う条件としては、自然災害による被害であるかどうかという点が重要です。加入しているプランによっては補償の対象外になる可能性もあります。

特に地震の災害による被害は、地震保険に加入しているか地震補償が付加された保険である必要があります。

最寄りの自治体で補助金があるか探す 

外壁塗装は、工事内容によって国や地方自治体の補助金や助成金の対象になる可能性があります。金額は対象範囲や自治体の意向によって変動します。ただ、最大で30万円の支給が受けられる地域もあるため、1度自治体に確認してみることをおすすめします。

外壁塗装の助成金や補助金を探す際には、「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」の利用が便利です。助成金や補助金を申請する際には、各自治体が規定している条件をクリアする必要があります。

業者と契約する前に手続きをしておく必要がありますが、場合によっては業者の協力を受ける必要があるため、どの業者に依頼するかを決めておくことも必要です。

補助金が受けられる都道府県の例を2つ紹介します。

東京都品川区 住宅改善工事助成事業

省エネルギー化のための窓・壁等の断熱化工事が対象
品川区内の施工業者を利用することが条件

  • 遮熱性塗装工事
  • 環境に配慮した内装材使用工事
  • 断熱化工事

個人住宅の場合で工事費用の1/10、上限20万円

千葉県君津市 木造住宅リフォーム補助制度

省エネルギー化のための窓・壁等の断熱化工事が対象
県内または市内の業者を利用することが条件

  • 省エネルギー対策工事の実施
  • リフォーム工事に要する費用

リフォーム工事に要する経費の1/5、上限40万円

注意点を守り自宅を漆喰塗装しよう

漆喰塗装に興味を持っている人もいるでしょう。ほかの塗装と比較すると費用が高額になるというデメリットはあるものの、耐久性は100年ともいわれているため、メンテナンス費用を含めてもコストパフォーマンスが高い塗装ともいえるでしょう。

さらに、デザイン性や高級感、重厚感を重視する人にもおすすめの塗装です。

サイディングやモルタルもカラーバリエーションやデザインの豊富さが注目されています。ただ、作られたデザインよりも手作り感のある味わいを求める人には漆喰のほうが向いているでしょう。

漆喰は左官職人が手作りで塗装するため、1軒1軒異なる仕上がりを作り出すことができます。その代わり、高い技術力を持つ職人がいる業者を探す必要がある点には注意しましょう。

オリジナリティを出すことができる反面、職人の技術力に左右される点が漆喰塗装の注意点であることをしっかり理解してから塗装を開始しましょう。