屋根瓦はどれを選ぶべき?種類ごとの特徴や価格を徹底比較

屋根材にはスレート屋根など、いくつかの種類がありますが、やはり最もデザイン性が高くて人気があるのは屋根瓦です。屋根瓦はとても歴史が古く、その起源がわからないほど遠い昔から世界中で使われてきた、代表的な屋根材です。

一口に屋根瓦と言っても、その種類はいろいろとあります。この記事では、屋根瓦での一戸建ての新築やリフォームを考えている方のために、屋根瓦の種類と選び方のポイント、屋根瓦の屋根をリフォームする時の相場などについて詳しく解説します。屋根は趣のある屋根瓦にしたいという方のために、必見の情報満載です。

屋根瓦の種類ごとの特徴を比較

現在日本の建築で主に使われている屋根瓦には、 粘土瓦と金属瓦、セメントやコンクリートを原材料にした瓦があります。それぞれの瓦の種類ごとに、特徴や耐用年数、メリットデメリットがあります。まずは、屋根瓦の種類ごとの特徴について詳しく解説します。

日本で最もポピュラーな粘土瓦

粘土瓦とは、粘土質の土をこねて整形して高温で焼成したものです。古来から世界中で使われている瓦が粘土瓦です。日本では、四季のある多様性に富んだ気候や風土に適しているということで、昔から多くの建物に使われてきました。

耐久性も高く、遮音性にも優れている点が大きなメリットです。特に雨が降った時でも、雨粒が屋根に当たる音がしないので、雨音で眠りが妨げられる心配がありません。

しかし、他の屋根材よりも重量があることから、建物の躯体(くたい)に対して大きな負荷を掛ける点がデメリットです。耐震性が低下する点には注意が必要です。

粘土瓦には、釉薬瓦(ゆうやくがわら)と無釉薬瓦(むゆうやくがわら)の2種類があります。それぞれの特徴も詳しく見ていきましょう。

釉薬瓦(ゆうやくがわら)とは

釉薬瓦とは、粘土瓦を成形した後で、ガラス質の釉薬を塗って焼き上げた瓦です。瓦に釉薬で色やツヤをつける他に、瓦の耐久性を高める効果が期待できます。

耐用年数は50年から60年とされています。実際には、半永久的に変わらず瓦自体は使い続けることが可能です。耐水性に優れ色あせしにくいので、瓦自体に屋根塗装などのメンテナンスは不要です。ただし、漆喰(しっくい)や防水シートは経年劣化していくので、定期的な点検とメンテナンスが必要です。

無釉薬瓦(むゆうやくがわら)とは

無釉薬瓦とは、釉薬を塗らずに焼成した瓦で、古くからの神社仏閣やお城でも、建築当時のものが使われていることから、半永久的な耐久性があることが分かります。

無釉薬瓦には、いぶし瓦と素焼瓦があります。いぶし瓦は、焼成後に窯の中でいぶして表面に炭素膜を作ります。経年劣化で炭素膜が剥がれると防水性が低下するので、メンテナンスが必要になります。

素焼瓦は粘土を焼いた色をそのまま残すもので、自然な風合いが特徴です。耐用年数が40年から50年とされています。

薄くて軽い金属瓦

金属瓦とは、金属製の薄くて軽い瓦です。細長い平板上の金属瓦をふいていく事が多いのですが、粘土瓦のように成形した金属瓦もあります。現在はガリバリウム鋼板で作られたものが主流です。

軽量なので、建物の耐震性が高く保てるというメリットがあります。また安価な点も見逃せません。しかし、粘土瓦と比べると熱を通しやすく、遮音性もありません。雨音がとても気になる点がデメリットです。

セメントのスレート瓦

現在屋根瓦として最も使われているのが、セメントでできたスレート瓦です。セメントを暑さ5mmから7mm程度の瓦に成形しています。色や形状がとても豊富で、施工するのも簡単なので、瓦屋根の中では最も人気があります。

スレート瓦は流通量が多いので、大量生産が可能で、業者としても扱いやすい瓦なので材料費と工賃が安くてすみます。対応できる業者や職人の数も多いので、台風などで修理しなければいけなくなったとしても、他の屋根瓦よりも早く対応してもらえます。

軽量なので建物の耐震性も粘土瓦と比べると向上できます。建物の耐震化として、粘土瓦からリフォームする方も多い瓦です。

デメリットは耐用年数が短い点です。紫外線に弱く、防水性も低いので約10年に一度の塗替えが必要です。

コンクリート瓦

コンクリートはセメントに砂利を混ぜたものなので、セメント瓦の一種類として扱う業者もいます。1970年代から80年代にかけてヨーロッパから輸入されたモニエル瓦がコンクリート瓦です。

コンクリート瓦と同じように、約10年に一度の塗替えが必要です。耐久性は40年程度です。40年経ったものは、全面的な葺き替えが必要になります。

屋根瓦の3つの形状

屋根瓦には素材の種類の違いに他に、形状の違いもあります。和風の屋根瓦と洋風の屋根瓦の違いも出せる、屋根瓦の形状について詳しく見ていきましょう。

和洋が融合したJ型

J型の屋根瓦は和の瓦と西洋建築の瓦の工夫をそれぞれ取り入れた形状になっています。直線でできている平場の山と、流れるような谷が合わさった美しさは、現在使われている瓦の中で、最も多い形状です。

平らなデザインのF型

F型のFとは「Flat(平ら)」のFです。その意味の通り、平らな形状が特徴的な瓦です。平板瓦と呼ばれることもあります。最近では洋風建築だけではなく、和風建築にも使われるようになりました。太陽光パネルを屋根に載せたい場合は、軽量化したF型の軽量防災瓦を使うことが一般的です。

山と谷が合わさったS型

S型瓦は断面図の形が、山と谷のゆるいS字になっている洋風瓦のことです。「スパニッシュ」の頭文字から取っているという説もあります。瓦の形状の中では、最も色のバリエーションが多く、選ぶ楽しみを広げられる瓦です。

屋根瓦リフォームに必要な費用の相場

屋根瓦のリフォームを検討中の方は、どのくらいの費用がかかるのか気になっていることでしょう。こちらでは、屋根瓦のリフォーム費用について詳しくお伝えします。

屋根瓦の種類別の費用

まず、屋根瓦のリフォームは瓦の種類によって価格が変動します。建物の屋根に使われている瓦には耐用年数があります。耐用年数を過ぎると特に防水性が低下してしまうので、全く新しい瓦にすべて葺き替える必要があります。瓦を全て葺き替えた場合の、瓦の種類ごとの1平方メートルあたりの費用は次の通りです。

葺き替える瓦の種類1平方メートルあたり単価耐用年数
釉薬瓦5,500円~16,000円50年~60年
いぶし瓦8,000円~13,000円30年~60年
素焼き瓦5,000円~9,000円40年~50年
セメント瓦・コンクリート瓦5,000円~10,000円20年~40年
(約10年に一度の塗装も必要)

なお、リフォーム前の古い瓦を再利用できる場合や、屋根の防水シートの張替えも必要になるかどうか、といった点でも価格は変動します。

屋根のリフォーム方法別の費用

屋根瓦のリフォームの費用は、リフォーム方法によっても変わります。屋根瓦のリフォームや修理方法による費用の違いも見ておきましょう。

リフォームの種類作業内容費用相場
塗装のみセメント瓦とコンクリート瓦の約10年に一度の屋根塗装。50万円~80万円
葺き替えすべての瓦を新しい瓦に入れ替える180万円~250万円
葺き直し下地を修理した後で、再利用できる瓦はそのまま使って葺き直す。140万円~210万円
カバー工法

古い屋根には手を付けずに、上から全く新しい屋根を取り付けてしまう。

80万円~120万円
部分修理部分的な瓦のズレや破損を修理する20万円~50万円

屋根瓦以外の屋根材の場合には、全面的な屋根リフォームではカバー工法が安価でおすすめですが、元々重量がある屋根瓦の場合には、耐震性が大きく低下するのでカバー工法はおすすめできません。

屋根瓦を選ぶときのポイント

ここまで見てきたように、屋根瓦には種類や形状などがいろいろとあります。屋根を瓦屋根にしたいと思っている方の中には、これほどまでにいろいろな種類があると、どの様に屋根瓦を選んだらいいのか迷ってしまう方もいるでしょう。こちらでは、屋根瓦の選び方についてお伝えします。

リフォームの場合は耐震性を維持する

家を全面リフォームするのに、屋根瓦をすべてふき替える場合には、耐震性を重視して屋根瓦の種類を選びましょう。建物の耐震性は屋根が軽くなれば軽くなるほど向上していきます。そのために、瓦屋根にする場合でもより軽い屋根瓦を選択する傾向にあります。

建て替えではなくて全面リフォームをする場合には、家の基礎や柱といった構造は変更することができません。リフォーム前よりも重い瓦を使うわけにはいかないので、以前使っていた瓦よりも軽い瓦を選ぶことが大切です。瓦屋根ではなくて、スレート屋根に変更してしまう場合もあります。

新築や建て替えならデザインを重視

新築や建て替えであれば、基礎からすべて新しく作れます。屋根材は耐震性を向上するためにとにかく軽いものを、という風潮がありますが、重い屋根瓦を使いたい時には、その重量に耐えられる構造設計にすればいいだけです。

好みのデザインの瓦を選択しても、その代わりに合わせた耐震性を持つ家にすれば大丈夫です。屋根は家の印象を大きく左右します。屋根瓦は特におしゃれな家にできるので、デザイン性重視で選びましょう。

信用できるメーカーの商品を選ぶ

屋根材を扱っているメーカーはたくさんあります。屋根は、ときには台風などの大規模な災害から家族の命を守る砦にもなるので、信頼性の高いメーカーの物を使いたいものです。

瓦には三大生産地と呼ばれる地域があり、それぞれに全国的に有名な瓦メーカーがあります。三大地域の有名メーカーの製品であれば、安心して使えるのでおすすめです。瓦の三大産地と、それぞれの産地の主要メーカーは次のとおりです。

瓦の三大産地有名メーカー特徴
三州(愛知県)鶴弥・新東など総合瓦メーカーが多い
石州(島根県)シバオ・丸惣など和瓦に強い
淡路島(兵庫県)登瓦製造所・井上瓦産業いぶし瓦が有名

屋根瓦リフォームに関するQ&A

屋根瓦のリフォームを検討中の方も中には、いろいろとわからないこともあって困っているという方も多いことでしょう。こちらでは、屋根瓦のリフォームに関してよくある質問をまとめてみました。

屋根瓦リフォームの時期は?

屋根瓦はどのくらいに入ってリフォームしたらいいのかよくわからないという方が少なくありません。まず、屋根瓦の耐久性は、短くても20年から40年と他の屋根材と比べても比較的長い方です。

しかし、塗装が必要な場合には塗装や、下地に貼っている防水シートは屋根瓦と同等の耐久性はありません。塗装の耐久性は10年、防水シートの耐久性は20年が目安です。

塗装が必要なコンクリート瓦やセメント瓦は、10年に一度の塗り直しを行いましょう。その時に一緒に、下地の点検や瓦の割れやズレがないかどうか確認してもらいましょう。

本格的なメンテナンスは20年に一度必ず行いましょう。下地の交換は20年に一度行うと、家を長持ちさせられます。この時に、瓦の状態を見て葺き直しか葺き替えを行うといいでしょう。

屋根瓦リフォームの工期は?

屋根瓦のリフォームには、どのくらいの期間がかかるのか知りたいという声もあります。屋根瓦のリフォームの期間は、施工する箇所の範囲や修繕の内容などによって変わります。

ちょっとした瓦のズレや割れた瓦の交換程度であれば、数日で終わります。本格的にすべての瓦を外して、下地をすべて張り替えるリフォームだと2週間から4週間程度かかることもあります。

屋外での作業なので、雨の日には作業できないこともあります。スケジュールには余裕をもたせることが大切です。

基本的に、屋根リフォームは屋外のみでの作業です。家の中に作業員が入る必要はないので、施主や家族の方が全員外出したり、仕事にでかけたりしても全く問題ありません。

屋根瓦リフォームの費用を抑えるには?

屋根瓦のリフォームをできるだけリーズナブルな費用にしたいのであれば、1社だけで決めるのではなくて、複数の会社に見積りを依頼しましょう。

会社ごとに提案してくれる修繕や、使う瓦や工法の内容が大きく違うはずです。それによって金額も大きく変わります。屋根リフォームの世界には定価はないので、同じような提案内容でも、費用が全く違うこともあります。

複数の会社から見積りを取り寄せることで、そういった違いを比較することができます。

長く安心して住み続けられる家にするためには、必要な補修は適切なタイミングで行うことが大切です。複数の会社の見積書を比較すれば、そういった視点でリフォームしてくれる会社かどうかも見極められるでしょう。

一括見積りサービスを使えば、ほんの数分の入力作業だけで、簡単に複数の会社への見積り依頼を出せます。ぜひ一度、瓦屋根のリフォームについて、見積り依頼をしてみましょう。

自宅の屋根に合う屋根瓦を選択しよう

屋根瓦には、いろいろな種類があることに驚いた方もいることでしょう。屋根瓦の家は、スレート屋根にはないオシャレ感があるので、ぜひ新築を考えているのであれば、屋根瓦も検討してみましょう。

屋根瓦のリフォームが必要な場合には、依頼する会社によって費用も工事の質も大きく変わってきます。ぜひ一括見積りサービスを利用して、腕が良くて価格も適正価格で施工してくれる会社を見つけましょう。